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全国都市監査委員会

 山梨県 富士吉田市外二ヶ村恩賜県有財産保護
 (ふじよしだしほか2かそんおんしけんゆうざいさんほご)組合

 【恩賜林(おんしりん)組合】
 富士山の裾野に広がる林野は、何百年も前から地元の人たちの自治により守られてきた入会の森です(民法に定められた入会権がある森という意味です。)。昔から山菜や薪、木材など生活の糧や資材となる産物を、村々で共同の掟を自主的に定めて採取してきたところです。近代になると、これに加えて、荒野を均し植林を施し人工林を造る新たな入会利用に着手しました。
 このような入会に関わる事務事業を担任させ、林野の包括的利用を図らせるため、明治33年、当時の関係5か村が市制町村制の規定により町村組合を設置しました。これが本組合の始まりです。地方自治法の施行により同法附則の規定に基づいて町村組合から一部事務組合となり、現在、富士吉田市、山中湖村、及び忍野村が構成団体となっています。
 本組合の事務事業の対象地は、富士山の北面8,100ヘクタールに及びます。この8割弱が森林で、残り2割強が草原ですが、森林は、木材の供給ばかりでなく水害・雪害の軽減、水質保全、エネルギー循環、また二酸化炭素増の抑制などの様々な公益を提供しており、草原は、近年貴重な解放された明るい自然環境としてこれを好む多くの動植物を生息させ生物多様性の持続に貢献しています。加えて、この豊かな緑は、世界に名立たる富士山の景観を保ち、人々の保健休養の場となっています。
 このように富士山の林野とそれを保持するセルフ・ガバナンスの仕組みは当地の社会共通資本であると言えます。本組合は、この社会的共通資本を担う伝統ある自治体です。地域主権改革が推し進められ、真の地方自治の本旨の実行が求められているとことですが、本組合はセルフ・ガバナンスの本領を発揮し、また、ガバナンスの要点である適切な監査を実施し、地域住民の期待に応えていく所存です。