本部通信
全国都市監査委員会

 宮崎県 日南(にちなん)市
 平成21年3月30日に、旧日南市、旧南那珂郡の北郷町及び南郷町が合併し、人口57,930人、世帯数23,560世帯、総面積536.12kuの(新)「日南市」が誕生しました。
 本市は、宮崎県南部に位置し、気温は平均18.7度、年間を通じて温暖な気候で、東に日向灘を臨み、西は都城市・三股町、南は串間市、北は宮崎市に隣接しています。
現在の日南市を中心とする地域は平安時代以後、日向国宮崎郡飫肥郷と呼ばれる土地でした。戦国時代には、飫肥城をめぐって、伊東、島津両氏の争いの舞台となりましたが、豊臣秀吉によって九州が平定された後は、伊東氏の居城となり、以後、江戸時代には五万一千石の飫肥藩伊東家として、明治維新まで続きました。
 日南市が誕生したのは昭和25年1月1日で、飫肥町・吾田町・油津町・東郷村が合併して市制を施行させ、細田町・鵜戸村を昭和30年2月11日、酒谷村・榎原村大窪地区を昭和31年4月1日に編入し、旧日南市が発足しました。
 そして今回、平成19年9月に日南市・北郷町・南郷町法定合併協議会が設置され、約1年6ケ月の合併協議を経て、平成21年3月30日に(新)「日南市」が誕生しました。
 日南市のうち油津地区は、早くから県南物流の拠点として栄え、飫肥地区は、政治経済の中心地として発展してきました。昭和12年には日本パルプ工業(株)飫肥工場(現王子製紙(株)日南工場)が吾田地区に設立され、本市の工業発展の基礎となりました。
 市制施行後、昭和30年には、宮崎市から日南市を経て鹿児島県に至る延長112qの全国有数のリアス式海岸が、日南海岸国定公園の指定を受け、「観光のメッカ」として全国の注目を浴び、昭和38年には、国鉄日南線(現JR日南線)が全線開通し、平成11年には油津港東ふ頭が完成するなど、社会基盤が整備され、産業・流通等の振興が推進されました。
 昭和49年に始まった飫肥城復元は、旧藩校振徳堂・大手門・歴史資料館・松尾の丸等が整備され、昭和52年には飫肥城下町が九州初の国の「重要伝統的建造物群保存地区」に選定されました。
 現在は、平成26年度の完成を目指して進められている東九州自動車道「清武―日南間」の整備、さらには、飫肥城下町や堀川運河を中心とした歴史的景観を生かしたまちづくりの推進、森の力がこころと体を癒してくれる森林セラピー、南国を象徴する亜熱帯植物など、美しい自然や地域の個性を生かした観光開発等、数多くのプロジェクトに取り組み、豊かさとゆとりを実感できるまちづくりを推進しています。